レントキル
アンタイコーラス

TRACK LISTING
01.

Release Date : 2008.11.05
Catalogue Number : IQCD-1049
Price : 1,890円(税込)

RENTOKILL


Antichorus



ヨーロッパの永世中立国の1つであり、音楽を中心に文化大国としての歴史も有する国、オーストリアのポリティカルハードコア/パンクロックバンド「レントキル」の3年振りのセカンドアルバム。不屈のハードコアアンセムで溢れる、今年のハードコア/パンクロックの名盤として推薦したい力作であり渾身の作。

前作よりシンガロングパートが増え、ハードコアテイストが強くなっているのが特徴だが、それよりも意外な程キャッチーになったソングライティング力には目をみはるものがある。漲るDIY精神と、自身の音楽に宿した愛、情熱、怒りはそのままに、バンドとして完全に一皮むけたのは明白。

レントキルらしくも、前よりもハードなイントロでリスナーの好奇心をかき立てておきながら、そのすぐ後の予想外のキャッチーな展開に、してやられた感を隠せない。驚きと共に、嬉しさもこみ上げてくるほどだ。最後まで持続するこのドキドキ感、ワクワク感に最後まで目が(耳が)離せない。あっという間に聴けてしまうため、またリピートしてしまう、中毒性の高いアルバム。

展開はシンプルながらメリハリがきちんとあり、コーラスやシンガロングパートも増え、曲自体に個性が生まれている。アルバム全体が何かドキュメンタリーを見ているような気分になり、ハードでありながらドラマチック。

7SECONDSやDEAD KENNEDYS、CHAOS UKなど80年代ハードコアパンクムーブメントに強い影響を受けて結成された、レントキル。前作ではそれらの音楽的影響をまだ自分達なりに表現できていなかったのが正直なところもどかしかったが、今作ではそれらは昇華され、表現者として魅力的に成長した。

Good Riddance、STIRIKE ANYWHERE、Satanic Surfers、RISE AGAINSTなど音楽的な魅力はもちろん、ストイックな姿勢を貫いているポリティカルハードコア/パンクバンドファンは、是非おさえておきたい。この手のバンドが好きな人はニヤリとしてしまうだろう。思わず体が動き、拳を突き上げてしまうのでは?

ベジタリアニズム、ビーガニズム、動物愛護や人権問題を取り上げた、メッセージ性が強く、知的な歌詞は健在。彼らの確固たる個性となっている。曲を楽しむと共に、彼らのメッセージにも是非耳を傾けたい。