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1992年以来、ヨーロッパ、そしてインドネシア(!)などでリスナーから絶大なる信頼を得、活動して来たハイ・クオリティ・パンク・ロック・バンド、ノット・アベイラブル。 現在までに1枚のミニ・アルバム、3枚のアルバムをドイツのロスト・アンド・ファウンド・レコーズからリリース。しかし、なけなしの予算、劣悪な制作環境のよって作られたその作品にメンバーは全く満足していなかったという。 その後、制作環境がしっかりしているといった理由から現在のレーベル、モダンノイズに移籍。同じ頃、警察官でもあったオリジナルのベーシストが脱退、新ベーシストとしてステファン・パップが加入、ニュー・アルバムの制作を、2001年リリースの前作「V8」から実に6年ぶりに開始する。レコーディングは、以前よりも数段クオリティの高い、ドイツはホルツハウゼン、ウーインゲンにあるジョワ・スタジオにて4週間にも渡り行われた。初のセルフ・プロデュース、そしてアルバムの為に書かれた約50曲近くもの新曲の中から厳選に厳選を重ね、選りすぐりの楽曲で固められたというニュー・アルバム「ファイブ・エイシズ」はまさにそんな彼らの努力が結晶となった自信作である。 ボーカルのドラガンは言う。「1,2曲のヒット曲があって、5曲ほどの良い曲があり、7曲ほどのまずまずの曲がある。これは「駄作」という言葉を言い換えたものさ。オレたちは絶対にそんなものを作りたくなかったし、どんなに長くかかろうと自分たちが満足いくものを作りたかった。そんな中残ったのがこの曲なんだ。20回プレイした後でも「最高!」と思える曲さ。」 確かにそこには一切の無駄がない。幅広い楽曲、ハイ・スピードで疾走するドラム、冴え渡るギター&ベース・プレイに心からシンガロング出来る歌詞、そしてなんと言っても、ボーカル、ドラガンによる素晴らしい歌声とメロディー。それらは特に普段パンクを聴かないような音楽ファンをも一気に虜にしてしまう勢いに満ち溢れている。 また、今作は彼らのファニーなノリを目一杯詰め込んだインナースリーヴまでも徹底してこだわったという。そして、そんな彼らの音楽の素晴らしさ、楽しさを最大限に堪能出来るのはやはりライブだ。マーチャンダイズや彼らが「駄作」と称する旧譜(現在はソールドアウト。まさに「ノット・アベイラブル(利用不可)」である!)などに極度に頼ることのなくとも、ヨーロッパでの彼らのライブは圧倒的な人気を誇る。 「ヨーロッパの動員で200人を切ることはまずないね。毎年のバルセロナのライブではいつも500人の前で演奏するんだ。ライブは全てを巻き込んだパーティーさ。オレたちは祝うためにここにいる。オレたちがファンを楽しませる以上にファンがオレたちを楽しませてくれるんだ。なぁ、オレたちファンに支払うべきだよな?!」 そんなモンスター・アルバムを作り上げた彼らは早くも次の曲を書き始めており、来週早々にでもスタジオに向かう予定だ。パンクロック界から新星の誕生か・・・?
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